看護師の申し送りの意味と目的

看護師が行う申し送りとは、患者の情報を看護師間で共有するための作業のことです。中には、引き継ぎと同じ意味だと思っている人もいるでしょう。しかし、引き継ぎは他者が自分の作業を代わりに続けることに対し、一方の申し送りは自分が行っていた業務を他者に任せるうえで必要な情報を共有するという違いがあります。24時間365日、患者の容態を観察し管理する病院では申し送りが重要です。申し送りの目的は3つあり、まず後任者が患者の状態を把握することが挙げられます。前任者が管理している間にあった異変が、後任者が管理している時間に発生しなかった場合、後任者は何に注意すれば良いのかわかりません。また、前任者が行っていた投薬があれば種類や量、投薬のタイミングなども把握する必要があります。

次に、患者の希望を伝えるためです。特に患者が眠っている間は、患者自身が看護師に希望を言うことはできません。患者の希望がある場合には、管理を行っていた前任者から後任者への情報共有が求められます。そして最後は、適切な処置を施すためです。処置は医師が決めた治療に基づいて行われるものの、治療内容については全ての看護師が医師から直接聞くケースはそれほどありません。担当する看護師が医師から指示された処置を実行する際、申し送りがあれば医師の指示内容を患者に施せます。看護師が患者に対して最適な治療、管理を行うために申し送りが必要なので、目的を理解して後任者へ情報共有できるようにしましょう。